亜鉛インゴットを車体に取り付けても防錆にはならない

亜鉛インゴットを車体に取り付けることにより、車体の防錆になるという説が一部の車好きの間で話題だ。

亜鉛インゴットで防錆になる原理

亜鉛(Zn)は鉄(Fe)よりもイオン化傾向が大きい為、鉄より先に亜鉛から錆びていくという原理だ。

この性質を利用して船舶には亜鉛インゴットを取り付けるステーがあり、船体の防錆効果を発揮している。

車にも効果あるの?

じゃあ車に着ければ車も防錆効果を発揮するんじゃないのと思うかもしれないが、これはあまり期待できない。

亜鉛インゴットを取り付けた鉄板と何もつけない鉄板を水に沈めて錆具合を検証する動画があるが、これにはトリックがある。

船は水に浸かっているが、車は水に浸かっていない。

亜鉛インゴットを車に付けたとしても雨水が掛かった亜鉛インゴット周辺は防錆になるかもしれないが、車体全体の防錆になるとは考えにくい。
ただ、空気中の湿気に対して若干の効果はあるかもしれないが。

ラストアレスタ―という防錆装置ですら、亜鉛でできたアノード電極は”水がかかりやすい所に取り付けるように”とある。水がかかりやすい場所に電極を付けると最大の防錆効果を発揮するのだが、逆に言うと、亜鉛と鉄とそれらを繋ぐ水が同時に接触していないと防錆効果を発揮しづらいのだ。

塗装の下地には亜鉛塗料が塗られている

そもそも車の塗装の下地には防錆として亜鉛塗料が塗られている。

亜鉛インゴットを取り付けるだけで防錆になるのであれば、亜鉛塗料が塗られている車はどこも錆びないはずである。

しかしながら、実際に傷がついたところから錆びは出てしまうのだ。

亜鉛が鉄に対して防錆効果を発揮するのは次の画像のような状況であり、亜鉛インゴットによる防錆範囲は限定的である。

亜鉛により鉄を防錆するためには、トタンや亜鉛ドブのボルトなどのように表面を全て覆わなければならない。